2017年9月9日土曜日

現代都市政策研究会2017年7月例会感想


ベルギー、フランスのエコミュージアム視察報告を聞いて

K.      S.      

 エコミュージアムとは何か。これについて、多くの人は知らないのではないのかと思う。矢野会員は、エコミュージアムとは①フランスにおいて地方文化再評価の中で1960年代後半に誕生した概念であり、②地域社会の内発的・持続的な発展に寄与することを目的に一定の地域において住民の参加により環境と人間との関りを探る活動と仕組みと定義され、③ある一定地域において成立した有形無形の生活・文化・産業の遺産や記憶等を対象としている、④ベルギーで視察した炭鉱施設は世界遺産に登録されているが来館者はさほど増えていないと説明している。

このうち、④については日本とは対照的と言えよう。日本では、世界遺産登録を地域おこし、町おこしと結ぶ付け、観光拠点として打ち出し観光客の増加を期待しているからである(例:群馬県の富岡製糸工場)。ここに日本と欧州との文化の相違点を見出すことができると言ってもよい。日本ではとかく、人を呼び込み、経済効果を高めることに熱心である。経済効果が高まるのは良いが、その弊害として当該地域の環境汚染が懸念される。世界遺産登録に熱心になるのも良いが、世界遺産登録後も静かな環境が維持されることについても熱心であるべきだ。

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