2016年9月17日土曜日

現代都市政策研究会2016年9月例会案内


現代都市政策研究会2016年9月例会

テーマ「都市をたたむ~人口減少時代の都市計画はどのようにあるべきか、具体的事例を通じて考える~

講師 饗庭伸氏(首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学域准教授)



人口減少時代、そして縮小していく都市における『都市計画』はどうあったら良いのか。コンパクトシティという提案はあるものの、その現実には、様々な問題があります。

現実の都市空間の変容を見ていくと、人口減少とともに都市全体がコンパクトに小さくなっていくのではなく、都市の規模を同じくしつつスポンジ状のように都市の中に空洞ができていくような変化が認められます。これらを踏まえると、これからのまちづくりを考えるに際し、実はこれまでの『都市計画』手法では通用せず、人口減少時代に向け、『都市計画』そのもののパラダイム変換が求められているのかもしれません。

講師にお呼びした饗庭先生は、長い間、この問題を取り上げられ、今回出版された『都市をたたむ~人口減少時代をデザインする都市計画~』(2015年12月 花伝社)では、この問題について、具体的に実践されているまちづくりの事例を取り上げながら、2つの空間モデルを挙げられ、その違いと都市計画の違い、コンパクトシティとスポンジシティの都市のたたみ方の違いを示されています。

 今回は、『都市計画』に関する最新の提案に関するお話を伺い、今後のまちづくりについて皆さんと考えたいと思います。是非、ご参加ください。(文責 室地隆彦)



1.日時 2016年(平成28年)9月25日(日) 午後2時~午後4時30分


.場所  三鷹駅前コミュニティ・センター4階会議室(2)

都市研2016年度鞆の浦・尾道合宿ご案内


.合宿日程

(1)2016年11月4日()~6日() 2泊3日

(2)宿泊先

11月4日() リッチモンドホテル福山駅前

11月5日() グリーンヒルホテル尾道 

 .主な行程(あくまでも現段階の予定です)

(1)11月4日()

東京発新幹線(8時10分)-福山着(11時44分)

福山からバス(30分)で鞆の浦12時30分着

鞆の浦-昼食

ヒヤリング先-鞆の浦さくらホーム 羽田富美江氏 地域包括ケアを実践しているだけではなく鞆の浦まちづくり塾などにも取り組んでいます。

鞆の浦さくらホーム http://www.tomo-sakurahome.net/

鞆の浦のまち歩き 可能であれば福山市のボランティア観光ガイドに依頼

鞆の浦または福山駅近くで夕食。夕食後、ホテルへ 福山泊

(2)11月5日()

朝、福山からバスで鞆の浦へ

クルーズ船で鞆の浦(11時10分発)-尾道駅前(12時10分着) 瀬戸内海の景色を楽しみます。

尾道-昼食

ヒヤリング先-NPO法人尾道空き家再生プロジェクト代表 豊田雅子氏 多くの空き家再生に取り組んでいて全国的にも有名です。 

NPO法人尾道空き家再生プロジェクト http://www.onomichisaisei.com/

尾道まち歩き&夕食(懇親会) 尾道市前職員の方にまちを案内していただきます。夜はその方を囲んでの懇親会を行います。

懇親会後、ホテルへ 尾道泊

 (3)11月6日()

午前中 検討中または自由行動

新尾道発新幹線(12時40分発)-東京着(16時33分)

の状況によってはもう少し早めの新幹線で帰ることも検討します。

.募集参加人数 8名

.費用(今現在の概算です)

 @62,000円/1人

(内訳)

福山までの往復交通費+宿泊代(2泊分)       42,000

夕食・懇親会(2回)+昼食(3回)          15,000

その他、フェリー代、ヒヤリング視察費(資料代)など  5,000

.参加申し込み

(1)参加申し込み  室地までメールでお願いいたします。

メール murochi-t@nifty.com
(2)申し込み期限 9月30日まで 申し込み人数(8名)になった段階で締め切らせていただきます。

現代都市政策研究会2016年7月例会感想




大都市の闇
                                                    H.     S.



「亡くなったAさんは、父は行方不明。母が生活を支えてくれていたが多感な時期にその母も失った。

さまよう心を埋めてくれたのは風俗の世界だった。「なんでも相談しなさい」マネージャーが優しい声をかけてくれた。誰よりも頼りにできると思った。甘い言葉に誘われて、風俗が華美な世界に思えていった。過酷な内容とは知らされずに、安易に「高収入」に惹かれていった。自分にもできる高収入はなにより魅力的だった。

 でも、支配の手段として暴力があった。「逃げたらどうなるか」と脅されてそこにいるしかなかった。それでも過酷な性的サービスに嫌気がさして反発した。言いなりにならないことから歌舞伎町の路上で暴力を振るわれ、その場から警察に保護された。

 婦人保護施設にきたAさんは、「二度とあの世界に戻りたくない」そう言いきった。「ここからやり直そう」新しい生活を求めてゆくはずだった。しかし、再び風俗の世界に戻っていった。

 呂律のまわらない言葉で時々施設に電話が入った。「また、戻りたいよ」「時どき、電話するね」。

 けれども、Aさんを待っていたのは死だった。デリバリの先のホテルの廊下で遺体となって発見された。警察からは急性心不全と言われた。本当にそうだろうか。28歳の人生だった。

 切ない。死ななくてよかったのに。家族のいないAさんは、無縁仏としてお寺に埋葬された。やりきれない思いで見送った。」

 全国婦人保護施設等連絡協議会会長の横田千代子さんに伺った話である。

婦人保護施設は買収防止法で、行き場をなくした女性たちを保護、自立させる施設として始まった。それでも2014年の厚生労働省調査では、売春による保護は4%にしかすぎないという。

 しかし、ほんとうに保護を必要とする女性たちが減ったのだろうか。昭和55年頃横田さんの施設にいる人の平均年齢は56歳ぐらいだった。けれども、現在は平均年齢36歳に下がっている。もっとも多いのが20代で次いで3040代、1人だけだが10代の女性もいる。都市の闇に取り残されている女性はもっといるのではないだろうか。

 入所者の70%が精神科受診者である。病名は統合失調症感情障害、双極性障害、心因反応、PTSD、自閉症スペクトラム症候群、覚せい剤残滓性障害などさまざまだ。

 同時に特徴的なことは、暴力を受けてきた人が91%とほとんどの女性が暴力を経験している。相手は、夫、内縁の夫、実父、実母、継父、祖父、叔父、兄弟、その他知人、他人など。性虐待を受けた人も60%を超えている。

 女性たちに共通するのが、軽度の知的障害であったり、また、コミュニケーションがうまく取れないこと。自分をうまく人に伝えることができないなかで、例えば風俗にしか生きる道が見いだせない。そんな女性を風俗は商品としてからめ取っていく。Bさんは、軽度の知的障害があり児童養護施設で育った。10代で性風俗の世界に入りAV女優をしてきた。高収入を得る経験をしたBさんは施設では生活できない。家庭への憧れを持っている。「子どもが欲しい。相手が誰でもいい、妊娠したい」いつもそう言っていた。でも、「デビューしていた自分が誇らしいと思う部分もある」とも横田さんは聞いている。本当の気持ちは不安なのだろう。

実は、こうした女性たちを私たちは見ていないだけなのではないだろうか。「施設にたどり着く女性たちはほとんどの人がとてもさびしがり屋です。孤独です。家族からも愛する人からも見放されて、時には自分が産んだ子どもとも別れなければならない状況に置かれる人も少なくありません。だからと言って、「生きる力」がないわけではありません。生きる逞しさも備えています。ただ、「何のために」「誰のために」とほとんどの人が「生きる目的」を問いかけながら生活しています。人と共に生きる何かが社会から奪われているように思えてなりません」と横田さんはいう。

NPObondプロジェクトが2011年、渋谷で101人の12歳から29歳までの若い女性に「生きる力アンケート」調査をした。「消えたい」「死にたい」と64%の少女が回答している。居場所のない女性たちが寂しさを紛らわせるために援助交際をしている。背景に父親からの性虐待、母親からの虐待を受けていることもあるが、特に理由がなくても「漠然とした不安感・空虚感・孤独感」から家出に至ることもあるという。中には自殺未遂の少女も16%いる。性的市場でそうした家出少女の取引がなされているそうだ。



これは一体なんだろう。華やかな都会の陰で実は不安を抱えている少女がいる。そして、売春も実は減っていないのではないか。

容姿による差別、うまいサービスをできない女性には暴力が振るわれたり、ドライアイスを両手に持たせるなどの虐待が現にあるのだ。一方で、高い報酬、甘い言葉や話し相手になってくれるという安心感から抜け出せないという気持ちがつくられる。



これは、性を売買しているのはない。もっと、人間を商品化して序列化しているのだと思う。そして、その根っこのところは、多くの若者の持つ不安感と共通する。誰かに承認して欲しい。ダイバーシティという言葉がはやっているけれども、それが高学歴、高いコミュニケーション能力を持つものは男女を問わず高い評価を受けるということであれば、きっとそれは間違っている。人が安全に安心して暮らせ、将来に小さくとも希望を持てることが守られねば、みんなが豺狼と成り果ててしまうだろう。

横田さんの話を聞いてそんなことを考えた。



横田さんの主張は女性支援法(仮称)をつくりもっと女性を救済できるようにしたいということ。

それは、まったくそうだと思うのだが、私は、制度をどんなに整備しても安心を届けるのは難しいのだと思った。まず、若い人たちの不安を受け止める相談をする。たどたどしい言葉でも優秀でなくてもばかにしない、そういう人が聞いてくれる場が要るのではないか。そして善意ではなくて専門知識に基づく助言や治療のできる医師がやはりいるのではないかと思った。